2024/08/29 14:09


久々に記事を認めてみたいと思います。当店のレザーグッズはフェイクレザーではありません。本当?金額が安いんじゃないの?って感じる方も多いと思うので、今回はそのメカニズムに関して皆様に共有してみたいと思います。

まず、意外と知られていないのが革の種類に関してです。本革という表現が日本人には馴染みがありますが、本来(元々輸入品だったということから)は以下のような区別のされ方をします。

1. フルグレインレザー (Full-Grain Leather)

  • 日本語訳: フルグレインレザー
  • 特徴: 革の表面(銀面)をほとんど加工せずに使用した最も高品質な天然皮革。傷や自然なシワが残っており、使い込むほどに風合いが増します。耐久性が高く、長持ちします。
  • 用途: 高級バッグ、財布、靴、家具など。

2. トップグレインレザー (Top-Grain Leather)

  • 日本語訳: 銀付き革(ぎんつきかわ)
  • 特徴: 銀面を軽くサンディングして加工した革。フルグレインレザーに比べて表面が滑らかで均一になりますが、耐久性や自然な風合いは少し劣ります。それでも、非常に品質が高く、本革として広く使用されます。
  • 用途: 高級バッグ、家具、靴、ジャケットなど。

3. スプリットレザー (Split Leather)

  • 日本語訳: 床革(とこがわ)
  • 特徴: 銀面を取り除いた後の下層部分の革。表面に加工やコーティングを施すことで外観を整えていますが、フルグレインやトップグレインに比べて耐久性や質感は劣ります。価格は比較的安価です。
  • 用途: 革小物、ベルト、作業用グローブ、靴の一部など。

4. フェイクレザー (Fake Leather)

  • 日本語訳: 合成皮革(ごうせいひかく)
  • 特徴: ポリウレタン(PU)やポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂から作られた人工的な革。天然皮革に似せて作られており、価格が安く、耐水性や耐久性に優れていますが、通気性や柔軟性は天然皮革に劣ります。
  • 用途: ファッションアイテム、家具、車のシート、アクセサリーなど。
この中で本革に該当するのはどれだと思いますか?お読み頂いたら分かるかもしれませんが、1~3なのです。

そして、当店で取り扱っているのは3のスプリットレザーという素材になります。1、2と比べると下層に当たることからもコストの面で抑えることができると共に、フェイクレザーとは違う、動物の感触を感じることができる、お得な本革製品と言っても良いと思います。

続いて耐用年数に関しても比較をしてみます。

本革(フルグレインレザー、トップグレインレザー、スプリットレザー)

  • 耐用年数: 10年以上(適切なケアをした場合)
    • フルグレインレザー: 最も耐久性が高く、適切に手入れをすれば20年以上使用できることがあります。革の質感が経年変化し、独特の風合いが出るため、長く使うことで価値が増します。
    • トップグレインレザー: 耐久性は高いですが、フルグレインレザーほどではありません。適切にケアすれば10~15年程度の耐用年数が期待できます。
    • スプリットレザー: 上記の2つに比べると耐久性は劣りますが、適切に手入れをすれば5~10年程度使用できます。スプリットレザーは表面加工が施されているため、傷がつきやすく、使用感が早く出ることがあります。

フェイクレザー(合成皮革)

  • 耐用年数: 3~5年程度
    • ポリウレタン(PU)レザー: 一般的なフェイクレザーで、柔らかく自然な感触ですが、紫外線や摩擦に弱く、数年で表面がひび割れたり、剥がれたりすることがあります。
    • ポリ塩化ビニル(PVC)レザー: 耐水性や耐久性に優れているものの、硬くなりやすく、同様に数年で劣化が進みます。

上記のように、化学製品と比べると天然品は長く使うことができることがわかりますね!

さて、写真に表示のあったBonded Leatherってなんぞや?って気づいた方は良く見てますねぇ。最後にこの紹介をして終わりにします。

Bonded Leatherとは?

  • 定義: Bonded Leatherは、革の製造過程で生じる革の切れ端や粉砕された革を接着剤と混ぜ合わせてシート状に再構成した素材です。天然皮革の繊維が一定の割合で含まれているものの、実質的には「合成皮革」に分類されます。
  • 見た目: 表面はポリウレタン(PU)やポリ塩化ビニル(PVC)でコーティングされており、外観は天然皮革に似せて作られています。見た目は本革に近いですが、質感や耐久性は大きく異なります。

特徴

  • コスト: 本革や高品質な合成皮革に比べて非常に安価です。天然皮革の風合いを求めつつも、予算を抑えたい人向けの商品に多く使われます。
  • 耐久性: 一般的に耐久性は低く、使用頻度や環境によっては数年でひび割れや剥がれが生じることがあります。特に日光や摩擦に弱く、劣化が早いのが特徴です。
  • 用途: 家具、装飾品、手帳カバー、ベルトなど、短期間での使用が見込まれる製品に使われることが多いです。

メリットとデメリット

  • メリット:

    • コストパフォーマンスに優れている。
    • 見た目は本革に近く、安価な製品でも高級感を演出できる。
    • 環境的にエコロジーな側面もあり、革の廃材を再利用している。
  • デメリット:

    • 耐久性が低く、経年劣化が早い。
    • 本革と比べると通気性や柔軟性に欠けるため、快適さが劣る。
    • 質感や手触りが人工的で、本革の「エイジング」(使い込むことで生じる風合いの変化)がない。

つまり、一番安っぽいのがこのbonded leatherということになるわけです。

次回は本革製品の生産工程に関してお伝えしてみたいと思います。